遺品整理の時期はいつ? 親が1人で賃貸住宅で暮らしていたとき

親が1人で賃貸住宅に住んでいたときは、遺品整理に時間をかけることができません。

なぜなら、賃貸借契約で亡くなったときの退去の時期が決められているからです。

賃貸借契約書があるかどうかの確認

賃貸住宅で1人暮らしをしていて亡くなったときは、退去の手続きが必要になります。

賃貸借契約書には退去に関する内容が書かれています。

賃貸借契約をしたときの書類を親が保管していて、それを遺族が見つけることができればいいですが、すぐに見つけることができない場合は、賃貸借契約をしているところに連絡をする必要があります。

どこに連絡をしたらいいのか分からないときは、公営住宅であればお役所、民間の賃貸住宅であれば不動産屋さん、また、サービス付き高齢者向け住宅であれば、そこを運営している会社に聞いてみましょう。

賃貸借契約の退去内容を確認

契約書には必ず借りていた人が亡くなった場合は、どのように手続きをするか、いつまでに家財などを運び出すかなどが書かれています。

契約書に書かれている日にちまでに家財の運び出しができないようであれば、運び出しの期限を延ばしてもらえるように交渉する必要があります。

例えば、賃貸借契約の解約は1カ月前までに申し出る必要があるという契約内容の場合は、亡くなった日から1カ月後の日が解約日になります。

家賃などの費用は亡くなった日までの支払いではなく、解約日までの費用を支払うことになります。

つまり、住人がいなくて亡くなった日から解約日までの1カ月間の家賃などを支払う必要があるのです。

引越作業や遺品整理・処分は解約日までに行う

解約日までに荷物を運び出し鍵を返すことが必要になります。

遺品整理業者に頼むのか、遺族が自分たちでやるのか、早めに決断して行う必要があります。

契約書の中には、解約日までに運び出していない家財などはこちらで処分しますというような内容のことが書かれていることがあります。

その場合は、処分費用を請求されることがありますので、事前に確認が必要です。

遺品整理業者に依頼する場合は、1日で終わるように勧めてもらえますが、遺族が自分たちで整理する場合は、1日では終わらないことがあります。

捨てるもの、残すものを決める。

捨てるものは自分たちで産廃のところに持っていくのか、業者に頼むのか。

残すものは誰がどこにどうやって持っていくのか。宅配便を使うのか、車で持っていくのか。

遺族が自分たちだけで整理と運び出しを行う場合は、仕事が休みの日にやったり、仕事を休んでやったりする必要があります。

手伝ってくれる人たちとのスケジュール管理も必要になります。

孤独死の場合

1人暮らしの親と疎遠になっている場合、また、疎遠ではないけれども、たまたま連絡をしていなかったとか、なかなか会いにいく時間が取れなかったとか、というときに、親の死後数日経ってから連絡が来ることがあります。

そのときは、遺品整理だけでなく部屋の清掃までも残された家族などが行うことがありえます。

亡くなった後の身体の状態にもよりますが、清掃の費用は安くはありません。

臭いなどのことで清掃は急いで行う必要があります。

私の体験談

私の父が亡くなったのは病院でしたが、そのときはサービス付き高齢者向け住宅という賃貸住宅に住んでいました。

亡くなったことを施設に電話で連絡した後、解約の書類を出すように言われました。その書類には、解約の申し出日が亡くなった日になっており、解約日が30日後になっていました。

私には兄弟がいましたが、連絡が全く取れなかったので、荷物の引越作業を行うのは私1人でした。

幸い父親の荷物をまとめたり引越業者に連絡をするのは今まで何回も私がやっていたので、段取りで悩むことはありませんでした。

しかし、自分の仕事の都合がありますし、引越業者さんの都合もあるので、できるだけ早くやろうと思い日程を考えました。

荷物はすべて私の家に持っていこうと決めました。なぜなら、その施設に移る前は私の家で一緒に暮らしていたからです。

賃貸住宅で暮らしていて亡くなった場合、布団を捨てる人がいますが、私はそれができず布団も私の家に持って帰ってきました。

賃貸住宅で親が使っていた冷蔵庫や洗濯機を捨てる遺族もいます。持って帰ると言ってもすぐに使わなければ置き場に困ります。

私の親は冷蔵庫も洗濯機も賃貸住宅にはなかったので、その処分はありませんでした。

それでも、父の荷物は段ボール10個以上、その他に布団や衣装ケース、三段ボックスなどがあります。

父の死後、数カ月たっていますが、段ボールや衣装ケースなどの中身はそのままです。

気持ちの整理がつかないため、父のものを整理するところまでいきません。

でも、私の家なので、それでいいと思っています。誰にも迷惑はかかりません。

父の物を整理できる気持ちになったら少しずつやっていけばいいと思っています。

遺品の整理はそう簡単にはできないことを実感しています。

まとめ

親が賃貸住宅で1人暮らしをしていたときに亡くなったときの遺品整理や処分、引越作業は、解約日までに行う必要があります。

そして、その期限はそう長くはありません。

遺品整理や処分を誰がやるのか、いつどのようにやるのか、実際に整理や引越を行うまでの段取りが大事になります。

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